代表コラム(1号)
MMPEまであと222日!
ここでは皆さんのご指導ご鞭撻を闊達化させるべく、拙考を思いつくままに書いていきたいです。
気泡・液滴・微粒子分散工学には「分散」というキーワードがついています。もちろん、混相流であれば分散にこだわらなくても良いのですが、最近、「分散」という言葉をどう捉えたらいいのだろう?と愚考しております。
流体は、連続体として考える学問です。マクロな物理と言ってもいいかもしれません。一方でミクロは分子動力学や統計力学のように、離散的な取り扱いをします。1980年代ごろまでは、混相流は連続体の捉え方が多かったのではないでしょうか。現代でも使われる、二「流体」モデルや、ドリフトフラックスモデル、スリップ流モデル、均質化モデルも、連続体がベースになって構成式を取り扱います。流動層も、まだ平均的な流れを扱っていたと思います。
これが、1990年代に入って変わってきます。固体粒子を個々に取り扱う離散要素法や、気液界面を捕捉する方法が現れてきました。21世紀にはいると、単一の粒子や気泡なら直接計算できそうな勢いで発展しています。ただ、プラントでは分散的に振舞っているものが群あるいはクラスターのように形成され、あたかもその群やクラスターが連続体かのように見えることがあります。まるで流体を介して分散相が会話しているかのように。ある国際会議では、分散相の振る舞いがダンスと呼ばれていた記憶があります。
そう考えると、改めて気泡・液滴・微粒子分散工学って奥深いなあと思うのです。